「民衆の敵」に物足りなさを感じた人はミュージカル映画「シカゴ」を観ると良いかも!
今回は少し軽めの話題です。あまり深刻にとらえず気軽に読み流してください。
地方政治を扱ったドラマ「民衆の敵」が視聴率で苦戦したり(参照サイト)芸人さんが漫才ネタで政治を扱って話題になったり(参照サイト)何かと社会派モノが話題になった年末でした。
政治を含む時事や社会ネタを扱う作品に興味のある方へお勧めの作品について今回は書きたいと思います。
先日ニューヨークに仕事で行く機会があり、週末にミュージカルの「シカゴ」を観て参りました。1975年初演の大ヒット作品で、2002年には映画化もされました。
あらすじや作品背景などはウィキペディアに詳しく載っております。(Wiki)
映画版も過去に観たのですが、世界観がちょっと独特で混乱しました。今回劇場でオリジナルのミュージカルを観たときは演出が一貫していたのと役者さんの感情表現が劇場向けだったこともありストーリーが自然と入ってきました。
舞台は1920年代のシカゴで、裁判とショービジネスの比較を通じて現代社会の問題を描いていきます。裁判・司法制度ひいては正義もその実践においては世論の影響を受け印象操作や扇情的な報道などにより歪められてしまいます。
この作品を観ると一世紀近く前のアメリカの話が不思議と今日の日本でも当てはまり、テーマが普遍性を持っていることが興味深いです。
「シカゴ」では二人の女性を軸に話が進みます。二人とも殺人容疑で収監されているのですが、やり手弁護士の助けを得ながら新聞報道を通じた印象操作により世論を味方につけ、ついに陪審員から無罪判決を勝ち取ります。この二人は終始身勝手で、その言動には全くもって共感できないのですが物語の中で不思議な魅力を放ち観客は引き込まれていきます。最後のシーンでは前向きに進む彼女たちをいつの間にか応援してしまいます。
2017年の小池劇場を思い出しながら観ると非常に感慨深い内容です。
社会派の作品がエンターテイメント性を保ちながらなおかつ社会の構造的問題や矛盾を深く描くのは難しいですが、その点はシカゴは見事に最上のエンターテイメントの中で社会問題を描き上げています。
日本の政治ドラマに満足できなかった人はぜひこの機会に映画版のシカゴを観てみてはいかがでしょうか?(映画版のWIKI)